孔雀明王
2024年3月25日
動物園でも目を引く鳥、孔雀。この鳥が日本に来るのは、西暦六百年頃、推古天皇や聖徳太子の時代です。初めて孔雀を見た日本人はどう思ったのでしょう。今まで見たことがないものが大陸から入ってくる感動は、情報過多の現代人では味わえないものだったのでしょう。
インドにおいて孔雀は仏教が始まる以前から飼育されてきました。美しい羽根は、神経毒に効果があるとされ(実際にはないそうです)、毒蛇やさそりなどを捕食することから神格化されました。仏教では、孔雀明王として取り入れられます。毒蛇を食すことから、三毒の煩悩を食し、様々な福をもたらすと密教において信仰されます。
三毒の煩悩とは、さらにさらに欲しいと思い際限のない貪欲の煩悩、ちょっとしたことで文句をいい怒る瞋恚の煩悩、私はまだこうじゃないんだと現状認識ができない愚痴の煩悩です。
それがわかっちゃいるけどできないから、真宗ではその者を目当てとしてすくわれる阿弥陀仏をたよりとしていくのです。