孔雀明王

動物園でも目を引く鳥、孔雀(くじゃく)。この鳥が日本に来るのは、西暦六百年頃、推古(すいこ)天皇(てんのう)聖徳太子(しょうとくたいし)の時代です。初めて孔雀(くじゃく)を見た日本人はどう思ったのでしょう。今まで見たことがないものが大陸から入ってくる感動は、情報過多の現代人では味わえないものだったのでしょう。

 インドにおいて孔雀(くじゃく)仏教(ぶっきょう)が始まる以前から飼育されてきました。美しい羽根は、神経毒に効果があるとされ(実際にはないそうです)、毒蛇やさそりなどを捕食することから神格化されました。仏教(ぶっきょう)では、孔雀(くじゃく)明王(みょうおう)として取り入れられます。毒蛇を食すことから、三毒の煩悩を食し、様々な福をもたらすと密教(みっきょう)において信仰されます。

 三毒(さんどく)煩悩(ぼんのう)とは、さらにさらに欲しいと思い際限のない貪欲(とんよく)煩悩(ぼんのう)、ちょっとしたことで文句をいい怒る瞋恚(しんに)煩悩(ぼんのう)、私はまだこうじゃないんだと現状認識ができない愚痴(ぐち)煩悩(ぼんのう)です。

 それがわかっちゃいるけどできないから、真宗(しんしゅう)ではその者を目当てとしてすくわれる阿弥陀仏(あみだぶつ)をたよりとしていくのです。

saikohji
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