苦海

今年の大河ドラマの主人公は紫式部です。娘が興味深く見ています。藤原道長も登場します。地位も名誉も権力もすべて手に入れた人です。しかし、迷いの苦海を抜けることはできませんでした。我が娘を亡くし、自らも病に侵されてからは、阿弥陀仏のすくいをたよりにしました。

「苦海」は、漢字を見ているだけでも苦しい気がしますが、我々の生きている世界を苦しみの海と例えています。寄せては返し寄せては返し迷いを繰り返し、尽きることがありません。親鸞聖人は、苦海を生きる我々をすくう阿弥陀如来の慈悲を和讃にされました。

生死の苦海ほとりなし ひさしくしづめるわれらをば

弥陀弘誓のふねのみぞ のせてかならずわたしける

(ままならずに繰り返す苦しみは、尽きることがありません。自らの力では、抜け出すことができない我々を、阿弥陀如来の慈しみの船だけが、乗させて必ずや悟りの極楽浄土へ渡させていただけるのです。)

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