義理

義理

 義理(ぎり)の意味は多様です。辞書を引きますと

  • 物事の正しい道筋。人として守るべき道理
  • 社会生活を営むうえで、他人に対して務めたり報いたりすること。例:〇〇には義理がある
  • つきあい上仕方なくする行為 例:義理で〇〇する。義理チョコ
  • 血の繋がっていない親族関係 例:義理の母
  • わけ、意味

色々と意味があります。仏教(ぶっきょう)に出てくる義理(ぎり)は1に属するのですが、対人関係ではありません。(ぶつ)の教えや経典(きょうてん)の正しい道筋、道理という意味で出てきます。

これが、江戸時代になると儒教(じゅきょう)朱子学(しゅしがく)の影響により、人間関係に多く用いられるようになります。義理(ぎり)を果たすといったように。武士から町人にも広まり、義理と人情という対立構造がなされていきます。江戸時代の文芸作品には近松門(ちかまつもん)()衛門(えもん)の『曾根崎(そねざき)心中(しんちゅう)』のように義理と人情を揺さぶる作品が多いのは、義理の意味の変化が大きく影響していると言えるでしょう。

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