教育は時間をかけて

明治大正の教育界の重鎮杉浦重剛のエピソードである。

中学校長時、近隣住民から、飛んで来た球を生徒が塀を乗り越えてきて困るとの苦情があった。

職員で対策会議を練ると

・塀を登れないよう武者返しをつけたらどうか

と意見が上がった。これに校長が反対した。

「そんなことであきらめるような意地気のない生徒を育てるつもりはない。職員でしばらくグラウンドに立ち、ことあるごとに生徒に言い聞かせてやってほしい」

「それでは時間と手間がかかります」

「手間をかけて丁寧にすることが大切だ」

と貫かれたそうです。制度設備で音大を抑えることは簡単でしょう。しかし、生徒本人に考えさせるには結局は丁寧に時間をかけるしかないのです。

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