時は明治時代、大谷派僧侶南条文雄氏がインドへ留学することになった。その船の中には、乃木希典少将が乗っていた。乃木少将が、「護身用の短刀か短銃を持っているのか」と聞かれた南条氏は「持っていない」と答えると、乃木氏が懐剣を出し持って行けという。これに対し、「わたしには、何よりも南無阿弥陀仏という武器がございますから」と丁寧にお断わりしたという。私に伝えたいエピソードである。