祈祷

祈ることで解決するならば、いくらでも祈りたい。しかし、世の中は祈ることではどうにもならないことがほとんどです。祈ることでどうにかなった人は、どこかお幸せな人でしょう。その幸せもいつかは手放せばならないのです。

 大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」の時代は、貴族政治から武家政治へと変わる大転換点ですが、仏教界(ぶっきょうかい)でも鎌倉(かまくら)新仏教(しんぶっきょう)といわれるほどの大転換だったのです。鎌倉(かまくら)新仏教(しんぶっきょう)とは浄土宗(じょうどしゅう)浄土(じょうど)真宗(しんしゅう)時宗(じしゅう)日蓮宗(にちれんしゅう)臨済宗(りんざいしゅう)曹洞宗(そうとうしゅう)の六宗です。いずれも宗祖(しゅうそ)比叡(ひえい)(ざん)で学び、平安時代末期から鎌倉時代にかけて活躍されました。そして、浄土(じょうど)(けい)念仏(ねんぶつ)日蓮(にちれん)(けい)題目(だいもく)(ぜん)(けい)座禅(ざぜん)と、身分を問わなくても実践できる教えが普及していったのです。

 それまでの、天台(てんだい)真言(しんごん)仏教(ぶっきょう)は、鎮護(ちんご)国家(こっか)として、国家を守るための仏教(ぶっきょう)として位置づけられていました。そこに、戦乱・災害・飢饉といった社会不安が訪れ、それまで貴族が現世祈祷をするための仏教(ぶっきょう)から、民衆のすくいに目を向けた仏教(ぶっきょう)が広まるのです。

saikohji
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