母の祈り

4世紀、ローマ帝国に多大な影響を与えたオーガスティンは、若いころの自分を深い懺悔のまなざしで見ている。
今でいう、不良少年であったオーガスティンは、母を靴を履いたまま蹴飛ばしたことがある。母は怒らず何も言わず部屋に入っていった。母の様子をそっと見ると、涙を流しながら、
「私は死んでもいいから、こどもの心をお救い下さい」
と祈っていたのだった。これに胸を打たれたオーガスティンは、心を入れ替えるのである。
見返りを求めない愛を知ることは大切である。真宗では聴聞が大切と言われる。弥陀のお心を聞かせていただくのである。法話をするものはここを常にいしきしなければならないと思う。

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