擬宝珠 

 擬宝珠というと、何のことかなと思われるかもしれません。お寺の縁側の手すりの先端や橋の欄干の先端にある装飾を擬宝珠と言います。雨水等による腐食を防ぐ役割があります。

 形状がネギの花に似ていることから、葱帽子→ギボシという説もあります。ねぎの臭気が魔除けの効能を顕すとされています。

 この擬宝珠という漢字をよく見てください。「擬+宝珠」で構成されています。宝珠をまねたものなのです。「宝珠」とは、漢字のままに宝の珠という意味です。ここでいう宝は、金銀財宝のことではありません。迷いを断ち、人々をすくいたいという仏の願いを宝に例えたのです。

 時折、菩薩が手に球を載せていることがあります。これが宝珠です。また、寺院建築の屋根の中央先端にある球がとがった形状のものを宝珠といいます。これに似せたものを擬宝珠というのです。
 親鸞聖人の師、法然上人は「今の我等は二河の水火を分けて、弥陀本願の宝珠を得たり」と阿弥陀如来のすくいに出遇えた喜びを表現しておられます。

saikohji
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