人間の寿命は短くなっている 人間はせっかちになっている

蓮如上人の御文章の中で、
それ、人間の寿命をかぞふれば、今の時の定命は五十六歳なり
とある。これは、お釈迦様が
これが一体どういうことなのか久しく疑問であった。

ある時、佐野元春さんがラジオで、「最近は一曲で聞くことが多くなっている。アルバム全体の構成などを楽しむ文化ではなくなった」ということを言っていた。
人はだんだんせっかちになっているかもしれない。YOUTUBEでも、「10分でわかる○○」など、簡単にわかろうとするものが多くもてはやされる。違法ではあるが、映画のダイジェストを勝手に作って配信する人もいるそうだ。
インスタントな世の中になっているのである。
それは、思い通りにさっさとすませたいという思いからきている。

しかし仏教では、人生思い通りにはならないと説く。そして思い通りにならないことを受け入れていくことを説く。
自然に触れている人は、自然は思い通りにはならないことをよく知っている。だから、多少の事は受け入れていける。そこには、ゆとりある世界がある。逆に思い通りにしようとすればするほど世界が狭くなる。

御文章の人間の寿命は短くなっているという表現は、インスタントな世の中を予見していたのではなかろうかと思えるのである。

saikohji
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