希有

 得に仏教用語というわけでもないのですが、浄土(じょうど)真宗(しんしゅう)で読むことが多いものに出てきますので、ご紹介させていただきます。

 「希有(けう)なこと」というように、「希有(けう)」とは稀なこと、滅多にない事という意味です。そこから不思議なこと、奇異に思う事など、畏れるという意味も含まれる使い方も出てきました。仏教(ぶっきょう)の場合は前者で稀なことという意味で用いられる場合が多いです。

 西光寺ではお盆などで読むことが多い「讃仏偈(さんぶつげ)」には、阿弥陀仏(あみだぶつ)の前身である法蔵(ほうぞう)菩薩(ぼさつ)が師の()自在(じざい)王仏(おうぶつ)を讃えている場面で

戒聞(かいもん)精進(しょうじん) 三昧(さんまい)智慧(ちえ) 威徳無侶(いとくむりょ) 殊勝(しゅしょう)希有(けう)

(規律を守り、教えを聞き、努力をし、心を静かに保ち、智慧を得たその徳は、比べるものがなく、何よりも優れています)

親鸞(しんらん)聖人(しょうにん)の著書『(きょう)(ぎょう)信証(しんしょう)』には、冒頭に出てきます。

摂取不捨(せっしゅふしゃ)真言(しんごん)超世(ちょうせ)希有(けう)正法(しょうぼう)聞思(もんし)して遅慮(ちりょ)することなかれ」

阿弥陀仏(あみだぶつ)の救いは、一度(おさ)め取ったら決して見捨てないという真実の言葉と世を超えた滅多にない正しい教えであり、それを聞き、よく考え、ためらっていてはいけない)

と。是非探してください。

saikohji
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