口伝

口伝

 約二五〇〇年前のインドではお釈迦(しゃか)様はどのようにして教えを説いておられたのでしょうか。

 お釈迦(しゃか)様は、口頭で教えを伝えられました。または、お姿そのもので教えを伝えられました。お釈迦(しゃか)様が入滅された後に、それぞれ言われたことの相違や勘違いが生じてきたため何度も会議が行われ、文字化して残していく作業が行われました。これが経典(きょうてん)になっていきます。

 その流れの中で、お釈迦(しゃか)様当時のように師から弟子へと口頭で伝えていくことを重視視する派も現れました。密教(みっきょう)はその部類にはいります。大切なことや最後の教えは奥義として口伝されるのです。それにより、純粋性や聖性が保たれていくようになるのです。歌舞伎などの日本の伝統芸能もそれに当てはまります。一部の人のみが継承していくのです。

 難しいのはバランスです。口伝(くでん)にこだわりすぎると閉鎖性を生みだします。社会性や世間体に合わせすぎると俗化していきます。

 ともあれ、お(きょう)にはお釈迦(しゃか)様の口伝(くでん)が説かれています。ゆっくりとお(きょう)を読んでみませんか?

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