輪廻
2023年7月1日
現代人にはなかなか理解ができないであろう輪廻。いのちは生まれ変わる。その生をどう生きてきたかで次の生がきまる。これを後生の一大事とも言ってきた。
仏教も輪廻を土台としている。次の生があるとないのでは生き方が変わってくる。
サッカーの中村俊輔氏の話である。彼はW杯にはなかなかいい思い出はない。選出はされるものの、ぎりぎりで落選されたり、直前でレギュラーを外れたり。
レギュラーを外された時に、彼は思った。この経験は現役を終え、指導者となった時に必ず生きてくるから、今できることを腐らずにやろうと。そして、ベテランで控えの中村氏が、率先してサポートに回ったことからチームは浮上していくのであった。
もし彼が、その時ばかりの考えであったら腐っていたであろう。現役を終えた後、第二の人生まで視野があったから腐らずにやれたのである。
輪廻は確かに現代人にはなかなか理解しがたい。しかし、その時の生だけでは、何をやってもいいではないかと自暴自棄になる可能性もある。次の生もあるとすれば、よりよく生きようとするのではないだろうか。輪廻思想は、煩悩のブレーキを果たしているのではないか。
そこから、よりよく生きてはいけないと、浄土教が発展していくのではないだろうか。その究極が親鸞聖人である。