行像
2023年6月23日
行像
京都では、梅雨が明ける頃になると、祇園祭の季節がやってきたと市内のあちらこちらで鉾や山車の準備が始まります。メインは市内を山鉾が廻る山鉾巡行です。むしむしとした京都独特の暑さの中、鉾を大勢で引っ張る姿は圧巻です。
このように、神仏などを御輿(神輿)に乗せ、巡行することは、日本各地の祭りでみられます。このおそらくはルーツになるのではないかということで、今回は「行像」をご紹介させていただきます。 7世紀、西遊記の三蔵法師のモデルとなった玄奘三蔵が、ガンダーラを目指しシルクロードを歩んでいるときには、すでに仏像を車に乗せて巡行することが記録されています。この巡行のことを「行像」といいます。その頃から、お釈迦様がお生まれになったことを祝う降誕会(花まつり)の際には、仏像を車に乗せて引いていたそうです。菩薩や仏が来迎することを、模したとも言われています。こちらから行くのではなく、向こうから迎えに来ていただく大乗仏教の思想がよく表れているのが「行像」です