自由とは

時は明治、自由民権運動が盛り上がった時代の話である。自由を謳う野広中が禅僧今北洪川のもとへ修行に来ていた。今北が、
「自由とはどんな形をしているのか」
と問うと、河野は、
「精神的にすべての障りを去ったことであります」
と答えると、
「その障りを去ったとこえおはどんな姿じゃ」
と、聞かれると河野は、
「・・・。どうすれば、見えますか」
逆に聞くと、今北は、
「わけはない。死んでみなさい」

このようなやりとりがあったらしい。私はこのエピソードは二つの意味で取れると思う。
一つには、死ぬまで障りは取り除けないという、人間の愚かさを意味している。
もう一つには、自分を殺して(抑えて)臨むことを意味している。

いずれにしても、自由の難しさと厳しさを伝えているエピソードである。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です