江戸時代初期の禅僧盤珪禅師の逸話である。宿坊において盗難騒ぎがあった。犯人は弟子の一人であった。他の弟子たちは「追い出しましょう。そうでなければ私たちは山を下ります」と意見を述べた。盤珪禅師は、「お前たちは正しい行いをするから山を下りてよい。この者こそ教育が必要なのである。」と述べた。現代社会とは反対の対応なのだろうが、誠の教育とはこういうことではないだろうか。