マトリックスという映画をご覧になったことはありますか。この映画は仏教(ぶっきょう)思想をふんだんに取り入れて作られています。まず世界観です。今この現実で起きていることは仮想世界ではないのか。ではだれがこの仮想世界を構築していくのか、と話が進んでいく映画です。中国の説話「胡蝶(こちょう)の夢」を見た時の感覚と似ています。では、なぜ仏教徒(ぶっきょうと)のつながりがあるのでしょうか。

我々はなぜ苦しむのだろうか。お釈迦(しゃか)様は深い瞑想(めいそう)の後、これらを整理されました。十二(じゅうに)縁起(えんぎ)といいます。その中で、我々は、その世界を(しき)(認識)によって成り立っていること 

を明らかにされました。この認識によって見えるもの、世界を「(きょう)」といいます。

 認識は、次のように分けられます。(げん)()()(ぜつ)(しん)()。それぞれ見ること、聞くこと、嗅ぐこと、味わうこと、身体で感じること、考えること、ということです。

 この認識の対象を、(しき)(しょう)(こう)()(しょく)(ほう)と表せます。 同じ味噌汁でも人によって、濃いと感じたり薄いと感じたりするのは認識が違うからです。この認識の違いで争いが起きたりします。それらに固執しないようにしようというのが仏教(ぶっきょう)中道(ちゅうどう)です。

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