逆縁

「逆縁」は元の意味と世間で使われている意味が大きく異なる代表格でしょう。世間で「逆縁」というと、先に若い人が亡くなることを意味します。ところが、広辞苑を引くとこの意味では出てきません。「逆縁」を引きますと

  • 仏に反抗し、仏法をそしることなどがかえって仏道に入る因縁となること。
  • 年長者が年少者の供養をなし、または生前の仇敵が供養すること。親類縁者でもない、通りすがりの者が供養すること
  • 自己の修行を妨げる因縁

とあります。元々逆縁とは、仏教を嫌だと思っていたことが逆に縁となり仏道に入ることを言っていました。若い人が亡くなることを逆縁と言うようになったのは、②の意味が変化をしたのです。年長者が年少者の供養をすることが転じて若い人が亡くなるという意味に転じたのです。

 先に我が子を亡くした住職が言われていました。「死は怖くはない。息子がいる家に帰ると思うと怖くはないのだ」と。仏法を頂くとむなしくすぐる人はないのです。

saikohji
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