鬼籍の意味
2022年1月24日
時折、著名な方が亡くなられるとメディアで「鬼籍に入られました」という事があります。これを初めて字で見た時に疑問に思いました。何故鬼の籍と書くのだろうかと。
調べていくと「鬼」という字は様々な意味が含まれていることがわかったのです。広辞苑で「鬼」と引きますと、
①悪神、邪神 ②伝説の山男や異種族の者 ③死者の霊魂 ④怪物、もののけ ⑤想像上の怪物(赤鬼青鬼など) ⑥鬼のような人 ⑦毒見役 ⑧紋所 ⑨名詞の上に付き、勇猛さや無慈悲を表す(鬼武者など)
と出てきます。これらの中では「鬼籍」の場合には③の意味が合いそうなのですが、少し違和感があります。
今度は日本で「鬼」の語源を調べるとよくわかったのです。「おに」は「隠」の訛りであると。字の通り「見えないもの」ということなのです。つまり「死者」ということです。
死者の籍に名を連ねたということが「鬼籍に入る」ということがわかりました。ここから「鬼籍簿」死者の名を記す帳面が派生し、現代では「過去帳」となったのです。