書道大家佐々木文山と俳句の名人宝井其角が酒を飲んでいた。料亭の主人が、二人に何か書いてもらおうと自慢の金屏風を持ってきた。 書道家の佐々木はまず「このところ小便無用」 と書いた。まさかの言葉に膝から崩れ落ちる店の主人。 それを見ていた俳句名人宝井はそれならばと 「花の山」 と書き添えた。素晴らしい句を書いた屏風になり、主人は喜んだ。 むなしいものがそうではなくなるのが弥陀の慈悲である。