徳川譜代の家臣酒井忠世が、お城の台所で盗みを働いた料理人を見た。お付きのものが「処分をしますか」というと「いや、羽織を支給しよう}と答えた。「なぜでございますか」「羽織があれば、さらにばれずに食材を盗むことができよう。あやつが盗んだわけは給与が安いからだ。あやつが悪いのではない。盗みを働かなければならない状態が悪いのだ。政治が改まれば、羽織が必要となくなるであろう。」悪を働くには理由があるのです。