逆謗

 身近な仏教用語ではないのですが、大切な言葉ですのでご紹介させていただきます。
「逆謗」とは、二つの言葉の略称です。ひとつは「五逆」、ひとつは「誹謗正法」のことです。
この二つは、仏法においてとても重い罪なのです。
五逆とは、
殺母…母を殺す
殺父…父を殺す
殺阿羅漢…聖者を殺す
出仏身血…仏を傷つける
破和合僧…教団を破壊する
誹謗正法とは
仏の教えを謗ること
これらの罪を犯した者は、無間地獄に落ちるとされていました。
阿弥陀如来も大無量寿経には、五逆や誹謗正法の者はすくいから除くと説かれています。しかし、観無量寿経において、逆謗のものもすくうと説かれており、古来議論がなされてきました。唐の時代の僧善導大師の登場で、阿弥陀如来のすくいの目当ては、煩悩盛んな凡夫であることを明らかにされました。ここから浄土教が盛り上がり、日本へと伝わり親鸞聖人へとつながります。親鸞聖人は、「世雄の悲、逆謗闡提を恵まんと欲す」と、阿弥陀仏の恵みの中ですよと説かれました。

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