行
2022年9月29日
「お坊さんは修行が大変ですよね」
よく言われる質問の一つです。今回の「行」は様々に意味がある言葉です。一般に「行」というと、冒頭のように修行が思い浮かぶのではないでしょうか。一日の行動を著す行住坐臥の「行」は歩くという意味があり、修行を「行」といい、行いを「行」といいます。また諸行無常とあるように私も含めたさまざまな形成されたものを「行」といいます。
これだけ「行」にはたくさんの意味がありますので、この「行」がどの意味で使われているのかを気を付けなければなりません。
最初の質問の修行という意味の「行」は、仏になるための「行」のことです。念仏を称える宗派への非難の言葉として「行」がないということがありました。ちょうど大河ドラマの時代です。この返答として親鸞聖人は「教行信証」を著されました。煩悩具足の身で行じがたい私の為に、法蔵菩薩の時に行を成就され阿弥陀仏となられた。そして我が口元へ南無阿弥陀仏と行も功徳もお届けされた。私のところで仏がはたらいておられるといただくことが要です。