苦楽

♪人生楽ありゃ苦もあるさー もはや30歳以下の人には伝わりにくい歌となりました。この歌詞が何故水戸黄門のテーマ曲に使われていたのかご存じでしょうか。水戸黄門のモデルとなった徳川光圀が子孫に残した訓示『徳川光圀卿九ケ条禁書』があります。この中に「苦は楽の種、楽は苦の種と知るべし」とあるのです。苦は楽の種なのだから、苦労の道を選ぼうという意です。

 この言葉をもう少し仏教(ぶっきょう)に寄せて味わうと、苦の種が楽の実となったとしても、油断するとそれはまた苦の種になるということです。

 年明けからフジテレビが大変なことになっています。副社長が原因について発言をしていました。八〇年代九〇年代の業界トップの座に君臨していたことからの傲慢(ごうまん)さが現在の結果を招いたと。まさに楽が苦の種となったのです。

 仏教(ぶっきょう)の楽の極みに極楽(ごくらく)があります。阿弥陀仏(あみだぶつ)極楽(ごくらく)浄土(じょうど)の事です。極楽(ごくらく)の名の由来は、あらゆる苦がないから極楽(ごくらく)というのです。娑婆(しゃば)苦楽(くらく)の連鎖を超えた世界です。

saikohji
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