経帷子

浄土真宗ではみかけることはないものですが、他宗の葬儀に参列した際に見かけることもありますのでご紹介させていただきます。

 「経帷子」とは、葬儀の際に死者に着せる着用する白衣の事です。その衣に、仏の名前や、経文、陀羅尼(真言)、六字名号(南無阿弥陀仏)などが記されています。

 イメージしやすいところでいえば、四国の八十八か所巡礼の装束が経帷子です。背には南無大師遍照金剛と記され、周りに巡礼の際の御朱印を記していきます。

 巡礼の姿は修行僧の姿そのものです。その姿と同じであるという事は、経帷子を用いる宗派は、死後、修行の旅に出られるという概念があります。この世は誘惑も多く、死後、浄土において修行をしようという思想です。

 最初に浄土真宗ではみかけることはないといいましたのが、ここが理由なのです。阿弥陀如来は迷いの闇が晴れない私どもを深く見つめられ、そして思案し、ご修行を遊ばされました。今生きているときから、弥陀の願いの船の上に乗船させていただいているのです。

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