王シフト

まもなくプロ野球が開幕となります。昨年は何といっても大谷翔平さんの伝説になるような活躍があったわけなんですが、昔、王貞治さんにもこんな伝説があるんです。ON砲と呼ばれる王、長島の打線が強力だった読売ジャイアンツ。なんとかならないものかと、当時の広島の白石監督が考えた。せめて、どちらかでもなんとかならないか。直感で打ってくる長島よりかは、考えて打つ王の方が対策を取りやすいのではないかと、王の打球方向を徹底的に調べさせた。今でこそデータ野球は当たり前だが、当時としては画期的なものだった。そして、王の打球方向の7割以上がセンターからライト方向で有るという事がわかった。それならば、守備もライト方向へ寄せればいいと極端な守備隊系を考えた。コーチからは反対意見も出た。

「もし、王が誰もいないレフト方向へ流し打ちをしてきたらどうするんですか」

「それが本当の狙いだ。王の一本足打法は、あれだけ足を上げるのだからタイミングが命だ。今までと違うタイミングで流し打つようになったら王のバッティングは崩れるだろう」

そこまで考えていたのだからコーチ陣も納得した。

時は1964年5月5日後楽園球場巨人広島戦

王が打席に立つと、観客がざわざわとしはじめた。
3塁に守備がいない。レフトにも守備がいない。
1塁にファースト、1塁2塁の間にセカンド、二塁の右側にショート、二塁の左側にサード

外野もすべておおきく右寄りの体系 王シフトが敷かれた。

それを見た打席の王は

「自分の速い打球なら狭い間も通り抜けるだろう」

と考えた。そして、打った打球は、野手の頭を超えてホームラン

白球が空中を飛んだのでは、いくら守備を置いても意味がないのです。その年王は55本のホームランを打ったのです。
弥陀の慈悲は、なにも妨げとならないのです。いかに、我が煩悩がさかんであろうとも妨げとはならず、虚空をかけめぐり常にわが身をお照らし下さるのです。

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