熊野権現

熊野権現
 ○○権現や権現堂という名のつくものがあります。これは、仏教が日本に伝来し、日本古来の神々を包括する形で考えられた思想から始まりました。日本古来の神々は、仏や菩薩が変化して現れたものであるという考えです。
 和歌山県の熊野も平安時代に、熊野権現として仏教に取り入られていきました。本宮の家津御子神の本地は阿弥陀如来であると考えられました。
 さて、この熊野権現は親鸞聖人の御伝記にも登場する有名なエピソードがあります。常陸の国に平太郎という人がいました。親鸞聖人の教えをよく聞き、念仏を大事にしていました。平太郎は領主と共に熊野詣に参る役目を授かりました。平太郎は悩みます。念仏を大事にしているのに神社に参っていいのかどうか。そこで、京の親鸞聖人を訪ね相談しました。すると、「熊野権現の本地は阿弥陀如来です。領主の命でいくのだから構いません。神を軽視せずに、念仏を大事にして下さい。」と答えられ、平太郎は熊野詣にいきます。その後のエピソードもあるのですが、それは報恩講で・・・。

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