気づき 太田道灌
2022年8月9日
15世紀の武将太田道灌は江戸城築城でも有名である。
その太田道灌が鷹狩りの帰りに雨が降ってきたので、近くの村で蓑を求めた。
すると、その家の娘が山吹の枝を差し出したのである。
道灌は、
「わしは蓑を借りたいのだ!」
と怒って城に帰った。
後日、このことが気になり古老にたずねると、
「殿、それは平安時代の古歌に“七重八重花は咲けども山吹の実の一つだに無きぞ悲しき”という歌があり『蓑』と『実の』を懸けています。
貧しく蓑一つも無いことを山吹に例えたのでございましょう」
これを聞いた道灌は自らを恥じ、歌を勉強するようになったという。
どの立場になっても、気付くという事は大切である。