弘誓

　キーンコーンカーンコーン　皆様は学校のチャイムを想像されましたでしょうか。私が通った浄土(じょうど)真宗(しんしゅう)系の大学、龍谷(りゅうこく)大学は変わったチャイムなのです。マイナーコードの暗い雰囲気のチャイムです。子守唄に近いでしょうか。

　しばらくすると、その意味がわかりました。仏教(ぶっきょう)讃歌(さんか)の四(し)弘(ぐ)誓願(ぜいがん)の曲だったのです。四(し)弘(ぐ)誓願(ぜいがん)とは、すべての菩薩(ぼさつ)がおこす願いのことです。

　衆生(しゅじょう)無辺(むへん)誓願度(せいがんど)（生きとし生きるものすべてを悟りの彼岸(ひがん)に渡そうと誓う願）

煩悩無数誓願断(ぼんのうむすうせいがんだん)（あらゆる煩悩(ぼんのう)を断とうと誓う願）

法門(ほうもん)無尽(むじん)誓願学(せいがんがく)（仏(ぶつ)の教えをすべて学び知ろうと誓う願）

仏道(ぶつどう)無上(むじょう)誓願(せいがん)成(じょう)（無上(むじょう)の悟りに至ろうと誓う願）

さらに、個別の願いがあります。阿弥陀仏(あみだぶつ)と成られる法蔵(ほうぞう)菩薩(ぼさつ)は、四十八(しじゅうはち)の願いを建てられます。四十八(しじゅうはち)の願いを要約されたのが重誓偈(じゅうせいげ)です。

この上ない悟りを得る。あらゆる苦しみを除く。南無(なも)阿弥陀仏(あみだぶつ)の声を届ける。これができなければ、仏(ぶつ)とはならないと誓われます。

浄土(じょうど)真宗(しんしゅう)では一番短い勤行(ごんぎょう)です。翻訳本(ほんやくぼん)も西光寺にありますので欲しい方は連絡をください。