境
2022年9月27日
マトリックスという映画をご覧になったことはありますか。この映画は仏教思想をふんだんに取り入れて作られています。まず世界観です。今この現実で起きていることは仮想世界ではないのか。ではだれがこの仮想世界を構築していくのか、と話が進んでいく映画です。中国の説話「胡蝶の夢」を見た時の感覚と似ています。では、なぜ仏教徒のつながりがあるのでしょうか。
我々はなぜ苦しむのだろうか。お釈迦様は深い瞑想の後、これらを整理されました。十二縁起といいます。その中で、我々は、その世界を識(認識)によって成り立っていること
を明らかにされました。この認識によって見えるもの、世界を「境」といいます。
認識は、次のように分けられます。眼・耳・鼻・舌・身・意。それぞれ見ること、聞くこと、嗅ぐこと、味わうこと、身体で感じること、考えること、ということです。
この認識の対象を、色・声・香・味・触・法と表せます。 同じ味噌汁でも人によって、濃いと感じたり薄いと感じたりするのは認識が違うからです。この認識の違いで争いが起きたりします。それらに固執しないようにしようというのが仏教の中道です。