叫喚
2022年12月1日
寒くなってきましたので温泉の話から。長崎県は雲仙にある温泉には、ゴーゴーと音を立てる場所があります。地下のマグマ溜まりからの蒸気が地表に漏れている音です。この地域は叫喚地獄と呼ばれています。
日本では地獄の様相は平安時代中期の僧侶であり浄土真宗の七高僧の源信和尚が『往生要集』に記されています。地獄は八大地獄に分けられ、生前の罪の重さに応じて行き先が変わります。軽い方から四番目にある地獄を「叫喚地獄」といいます。
叫喚地獄は、むやみに生き物を殺したり、盗んだり、浮気をしたり、お酒で迷惑をかけたりとしてきたものが生まれ変わる地獄です。この地獄に落ちると、油が煮えたぎる大釜に投げ込まれたり、火が燃え盛る部屋に閉じ込められたり、口の中から溶かした銅を流し込まれたりと様々な責め苦にあいます。罪人は泣き叫びますが、業が尽きるまでは繰り返し繰り返し苦はつづきます。
ここで、お酒の罪が出てきますが、ただお酒を飲んでいただけでは地獄行とはなりません。お酒を飲んだことにより気が大きくなり迷惑をかけすぎると落ちていくようです。
年末年始はお酒を飲む機会が増える方もおられるでしょう。くれぐれもご注意を。