叫喚

寒くなってきましたので温泉の話から。長崎県は雲仙にある温泉には、ゴーゴーと音を立てる場所があります。地下のマグマ溜まりからの蒸気が地表に漏れている音です。この地域は叫喚(きょうかん)地獄(じごく)と呼ばれています。

 日本では地獄(じごく)の様相は平安時代中期の僧侶であり浄土(じょうど)真宗(しんしゅう)(しち)高僧(こうそう)源信(げんしん)和尚(かしょう)が『往生(おうじょう)要集(ようしゅう)』に記されています。地獄(じごく)(はち)大地獄(だいじごく)に分けられ、生前の罪の重さに応じて行き先が変わります。軽い方から四番目にある地獄を「叫喚(きょうかん)地獄(じごく)」といいます。

 叫喚(きょうかん)地獄(じごく)は、むやみに生き物を殺したり、盗んだり、浮気をしたり、お酒で迷惑をかけたりとしてきたものが生まれ変わる地獄(じごく)です。この地獄(じごく)に落ちると、油が煮えたぎる大釜に投げ込まれたり、火が燃え盛る部屋に閉じ込められたり、口の中から溶かした銅を流し込まれたりと様々な責め苦にあいます。罪人は泣き叫びますが、(ごう)が尽きるまでは繰り返し繰り返し()はつづきます。

 ここで、お酒の罪が出てきますが、ただお酒を飲んでいただけでは地獄(じごく)(いき)とはなりません。お酒を飲んだことにより気が大きくなり迷惑をかけすぎると落ちていくようです。

 年末年始はお酒を飲む機会が増える方もおられるでしょう。くれぐれもご注意を。

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