化け物では終わらせない

「こんなところに仏教用語」より、鬼神の説明についての文章です。

鬼神

 鬼神は多様な意味と用い方があります。
広辞苑では
①死者の霊魂と天地の神霊。人の耳目では接しえない、超人的な能力を有する存在。
②荒々しく恐ろしい鬼。
仏教辞典では
超自然的・神秘的な霊力を有し、生者に禍福をもたらす霊的存在。その顕現の仕方によって、善鬼と悪鬼に分かれる。
とあります。死者の事を表すこともありますが、超自然的現象も表すこともあるのです。
自然は恵みももたらすし、災いももたらします。ただ、自然自体は善悪なくただ法則に従っているだけなのですが、受け取る側にとって善とも悪ともなります。
 自然の鬼神として有名なものに夜叉がいます。インドでは森林に住む神とされていました。人間に恵みを施す存在でもあり、人間を喰らうという存在でもありました。自然の恵みと恐ろしさを具現化したものが夜叉となったのでしょう。この夜叉は仏教に取り入れられ、仏教を守護する八部衆の一人となります。
 死を恐れる存在と見れば、鬼神と化し、死を仏に生まれ変わる往生と受け入れれば仏と化します。

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