仏説みみず経?

紙芝居台本のたたき台です。

ある時お釈迦様が、祇園精舎におられました。
その日は、日差しが照り付ける暑い日でした。
お釈迦様は干からびたみみずを発見しました。
みみずはまだかろうじて生きています。
お釈迦様はみみずに尋ねました。
「みみずよ。なぜ、このように暑いところへ出てきたのか。」
「お釈迦様。先日、大雨が降り、土の中で息ができなくなったのです。ですので、地上へ出てきました。地上はどこも水たまりで、気持ちがよく、動き回っていたらいつのまにか地面が渇いていたのです。そして帰ることができなくなりました。」
「それはそれは難儀なことだ。みみずよ。そなたにたのみがある」
「何でしょうか。私はいまにもいのちがつきようとしています。」
「そなたのいのちを無駄にはせぬ。人々は、この世に生まれてきて行くべき場所、帰るべき場所に迷うものが多い。この世に生まれ出て、煩悩の海に溺れている。人生の旅の帰る場所はあるのかを、そなたの姿を通して伝えようと思うのじゃ。」
「お釈迦様、私の姿を通してそのようなことができるのですか。私のここで、あなたの教えを聞くことが好きでありました。どうぞお好きにお使いください。」
みみずは命を閉じた。
お釈迦様は干からびたミミズを、みんなに見せ、人生の帰る場所はあるかと問いて回った。

saikohji
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