救世
2024年4月25日
2024年4月26日
一般には救世主のように「きゅうせい」と読みますが、仏教では「くせ」もしくは「ぐぜ」と読みます。世間の人々の苦悩を救うことから、仏・菩薩を表す言葉としても用いられます。
法華経の中に
衆生被困厄 無量苦逼身 観音妙智力 能救世間苦
衆生、困厄を被りて、無量の苦、身に逼らんに、観音の妙智力は、能く世間の苦を救わん
とあることから、救世といえば観音菩薩を表すようになりました。そして、この法華経を解釈し、推古天皇の前で講義をした聖徳太子が、救世観音の化身として敬われるようになります。 法隆寺には秘仏の救世観音像があります。明治の初めまで200年以上公開されていませんでしたが、日本美術に関心を持ったフェラノサが調査をすることで、久々に公開されました。実は、このフェラノサがいなければ、明治初期の廃仏毀釈の影響で、仏像や寺院は解体されていたかもしれません。後に、文化財保護法の基になる法律が制定されます。