九条

京都のラーメン屋には、ネギ多めで注文をすると山盛になって出される所があります。そのネギは甘くて、スープと絡み美味しいのです。京野菜の一つ、九条(くじょう)ネギです。平安時代には九条(くじょう)村で水耕栽培されていたようです。

 九条(くじょう)の名が付く人物もいます。源平合戦を知る一級資料として有名な日記『玉葉(ぎょくよう)』を書いた関白九条兼(くじょうかね)(ざね)です。(ほう)(ねん)聖人(しょうにん)に深く帰依(きえ)していました。九条(くじょう)の姓の由来も、京の九条(くじょう)に住まいがあったことによります。

 現在でも京都へ行くと、四条通りや十条通りと、横の通りに名前がついています。そして、縦の通りの名前を合わせると住所がわかるようになっています。四条通と河原町通ならば四条河原町、五条通と烏丸(からすま)通ならば五条(ごじょう)烏丸(からすま)と表記します。

 この条は、僧侶が身に着ける袈裟(けさ)にも影響しています。布をつないだ数によって、五条(ごじょう)袈裟(けさ)七条(しちじょう)袈裟(けさ)九条(くじょう)袈裟(けさ)などの種類が分けられます。五条(ごじょう)は普段使い、七条(しちじょう)は法要や葬儀、九条(くじょう)袈裟(けさ)は宮廷や大法要などで着用します。一般寺院で用いる袈裟(けさ)は、五条(ごじょう)袈裟(けさ)と、七条(しちじょう)袈裟(けさ)です。

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