さんだんのうた(現代語訳付)

ひかりかがやくかおばせよ

-師(()自在(じざい)王仏(おうぶつ))のお顔は神々しく-

みいずかしこくきわもなし

-お力も無限です-

ほのおともえてあきらけく

-師の輝きは-

ひとしきもののなかりける

-何よりも優れています-

月日のひかりかげかくし

-太陽や月、素晴らしい功徳(くどく)を供えた-

たからの玉のかがやきも

-宝石の輝きでさえ-

みなことごとく蔽われて

-影をひそめ- 

さながら墨のごとくなり

-墨のかたまりのようです。-

世自在王のおんすがた

-師のお姿は- 

世に超えましてたぐいなく

-何よりも優れています。-

さとりのみこと高たかに

-師の説法の声は- 

あまねく十方にひびくなり

-すべてに響き渡ります。-

いましめまなびいそしみや

(いまし)めを守り、教えを聞き、努力をし、-      

しずけきこころさとき智慧

-心を静かに保ち、智慧(ちえ)を得た-

たけきみ徳のならびなく

-その徳は比べるものがなく- 

たえにすぐれておわします

-何よりも優れています。-                 

あきらかによくみほとけの

-深く明らかに 善く- 

法のわだつみ分け入りて

仏方(ほとけがた)の深い教えを思い-

深きをきわめ奥つくし

-奥深くまで- 

はてなき底を念じます

-知り尽くしています。-

無明と欲といかりとは

-愚かさと欲と怒りは- 

仰ぐほとけにたえてなし

御仏(みほとけ)にはありません。-

ひとびとの雄者獅子のごと

-何よりも優れ- 

不思議の徳のきわもなき

-お徳は量りしれません。-

そのいさおしはひろやかに

-その功績は大きく- 

み智慧はふかくたえにして

智慧(ちえ)は深く-

ひかりのちからかぎりなく

-光の力は-

大千界もうちふるう

-世界を震わせます。-

われ願わくは仏となり

-私(法蔵(ほうぞう)菩薩(ぼさつ))も-

徳この法王にひとしくて

-あなたのような(ぶつ)となります。-

まよえる海をわたしては

-まよう者をすくい-

さとりの岸に著かしめん

-さとりへと導きます。-

ほどこしおきてつつしみや

-他者へ(ほどこ)し、心を落ち着け、-

しのびはげみに定と智慧

(いまし)めを守り、よく耐えて、よく励み、-

菩薩の行をいそしみて

-これらに集中して、- 

世にすぐれたる仏たらん

-すぐれた智慧(ちえ)を得ます。-

われ誓うらくさとりえて

-私は誓います。阿弥陀仏(あみだぶつ)となり- 

ひろくこの願はたしなば

-この願いを成し遂げます。-

おそれなやめるもろびとの

-すべての苦しむ者の為に-

憩いの家とならんかな

-大いなる安らぎを与えます。-

恒河の河の砂のごと

-たとえ御仏(みほとけ)が- 

その数多きほとけたち

-百千億万とも-

世にいまさんをあますなく

-ガンジス河の砂の数ほど-

供養すとてもしかじなお

-無数におられ-

道をもとめていやすすみ

-すべての仏方(ほとけがた)に-

たゆまず絶じ世にみつる

供養(くよう)するよりも-

火をも過ぎつついと堅き

-私が誓った道を- 

願いはたさんわがこころ

-ひるまずに歩む方がよりいいです。-

浜のまさごのそれのごと

-たとえガンジス河の砂の数ほどの- 

数かぎりなきみほとけの

仏方(ほとけがた)の世界があり-

国とし国はあらんとも

-数えきれないほどの- 

みなおしなべてもろともに

-仏方の国々があろうとも、-

それらのさとにくまもなく

-私の光はことごとく- 

照りわたらなんわがひかり

-これらの国に届くことでありましょう。-

かくてはげみの道すすみ

-そうなるようにひたすら努力し-

威神のきわみなかるらん

-量り知れない光を得ます。-

われみほとけとならんとき

-私は阿弥陀仏(あみだぶつ)となり- 

国第一とならしめん

-一番すぐれた極楽(ごくらく)浄土(じょうど)を作ります。-

人みな竒しき徳ありて

-その国の人々は素晴らしく- 

おしえのにわも世に超えん

-素晴らしい道場となりましょう。-

さとりしずけきこの国よ

-さとりの国として- 

ひとしくならぶものぞなき

-並ぶものはありません。-

われあわれみをほどこして

-私は(あわ)れみの心で- 

世のもろびとを救わなん

-すべての者をすくいます。-

十方のさとよりきたるもの

-どの世界から来ても- 

こころよろこびきよらにて

-悦びに満ち清らかになります。-

国のまどいの安らけく

-私の国に来たならば- 

永遠のたのしみうけしめん

-大いなる安らぎを得ます。-

師よねがわくはあかしあれ

-願わくば師よ、この誓いをお認め下さい。-

わが誓いかくまことなり

-それこそまことの証明です。-

われつとめつつはげみつつ

-この願いをおこして- 

果たしとげばやこの誓い

-ひたすら励みます-

十方のみ国のほとけたち

-すべての仏方は- 

智慧さわりなくおわします

-まことの智慧(ちえ)をお持ちです。-

つねにあわれみたれたまい

仏方(ほとけがた)よ、常に- 

わがこころざしみそなわせ

-私の心と行いをご覧ください。-            

道を求めてたとい身は

-たとえこの身が- 

苦難の毒に沈むとも

-いかなる困難を味わおうとも-

ねがい果さんその日まで

-私はこの道を突き進み-

しのびはげみて悔いざらん

-決して後悔することはありません。-

saikohji
  • saikohji

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