喫茶

仏教用語 喫茶のご紹介

携帯電話が普及する前を覚えておられますか。皆さんはどうやって人と待ち合わせをしていましたか。目印になるもの、着ていく服など詳しく確認していたかと思います。時には、喫茶店の中で待ち合わせということもよくあったことでしょう。お店の中で待ち合わせをする光景は今や見なくなりました。そして、今や喫茶店という言葉すらも少なくなりカフェと現代人は呼ぶようです。

 「喫茶」の意味は、広辞苑を引くと最初に出てくるのがお茶を飲むこと、です。これが意外にはないです。納得です。臨済宗を開いた栄西禅師はお茶で養生することを勧める「喫茶養生記」を著しています。お茶の普及と仏教は切って考えることはできません。

「喫茶去」という唐の時代の中国の禅僧の言葉があります。ぼーっとしている弟子に向かって、「お茶でも飲んで目を覚ましてこい」と叱責したのです。これが、だんだん意味が変わり「お茶を召し上がれ」に変わっていったのです。

 意味が変わってよかったのです。「お茶でもいこう」が「今から説教するぞ」ではないのですから。

saikohji
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